森の中のクリニック

設計 : O.F.D.A. + 中川 宏文
構造 : DIX ( 辻 拓也 + 飯山 滉介)
施工 : 川上建設
写真 : 楠瀬友将

ご両親が暮らす敷地の中に、新たに御子息夫婦が暮らす内科クリニックと住居を新築する計画である。

まるで森の中にいるかのようなお庭と大きな池が目の前に広がっている敷地で、このコンテクストを最大限に活かした建築をつくり、訪れる患者さんたちに少しでも癒しを提供したいというのがお施主の1番の要望であった。

要求された面積配分により、1階をクリニック、2階を住居として計画を進めた。
森と池に面する北側立面には深い庇とバルコニー空間をリニアに配置し、その構成を1階は建物入り口側の西側立面、2階はその反対側の東側立面にまで引き込むことで、立面ごとに異なるプログラムを統合することを目指した。

大きな屋根面に降る雨は、全て建物南側に流れるように建築のヴォリュームを調整し庇部分をミニマルに納めることで、屋久島地杉の軒と森の緑が一体となった風景をつくっている。